クリムゾン・ピーク/女は強い生き物です。
クリムゾン・ピーク(Chrimson Peak)R15+
監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:トム・ヒドルストン/ミア・ワシコウスカ/ジェシカ・チャステイン
製作:アメリカ/2015
時間:119分
クリムゾンピーク見た:トムヒんちー!おばーけやーしきー!
— サカエ (@s_k_e_73) 2016, 1月 9
TOHOシネマズシャンテにて鑑賞。新作映画では今年初めての映画鑑賞になりました。公開日翌日だったからか、映画館を出るとぴあの出口調査の女性に声をかけられ「100点満点で何点でしたか?」と聞かれました。そんなの初めての体験だったので咄嗟に80点と答えたけど後々ゆっくり考えたらちょっと盛り過ぎた。
【あらすじ】ミア・ワシコウスカ演じる小説家志望のお嬢様がちょっと胡散臭いトム・ヒドルストンと結婚して彼の実家に行ったらお化け屋敷だし小姑のジェシカ・チャステインは不気味で怖いし散々だった。
デル・トロ関係だと「パンズ・ラビリンス」「永遠のこどもたち」「MAMA」あたりが特に好きです。パシフィック・リムはちょっと毛色が違いますが勿論好きです。
今回のクリムゾン・ピークは「パンズ・ラビリンスよりも不気味でなく、永遠のこどもたちよりも悲しくなく、MAMAよりも怖くない」という印象でした。
製作中から「脚本を読んだトムヒが怖いと言って泣いた」という噂を聞いていたのでどんなホラー映画だろうと思っていて、予告が出た段階で「あれ?怖そうじゃないぞ?」とちょっと首を傾げていたのですが、そもそも所謂ホラー映画ではないんですね。
幽霊も怖いけど、それよりも人間の業とか愛憎が怖いって話なのかな。この映画でなにが一番怖いって「クリムゾン・ピークに気をつけろ…」とアグレッシブに助言してくる真っ黒なお母さんのお化けでも、屋敷にいるなんかドロドロしてて真っ赤な生理的にきもいお化けでもなく、現に目の前にいる人間なのですね。
※ここからネタバレ
ジェシカ・チャステイン演じるお姉さんはもともと狂っていたのか、お母さんのせいで狂ったのか、弟を愛してしまったが故に狂ったのか、どれが先かは分からないけど、とにかくトムヒの弟が何をしたいのか分からなくてイライラする!
最初は弟も姉を愛していて、二人だけの世界を守るために世間知らずのお嬢様を誘惑して殺して遺産だけいただいちゃお。という共通の目的で動いているならそれは怖いなって思ってたんです。でも途中からなんか弟の様子が変だなって感じ、そしたら結局は本当はもう殺したくないみたいなこと言い出すし、彼女が好きだけど姉から求められたら断れないってお前!お前ー!
取り返しがつかないところまで行ってるのはお互い様なのに、自分は頭のおかしい姉の被害者ですみたいな顔してるトム・ヒドルストンには殺意以外なかったのですが、それは映画の中でさっぱり解消されました。
いやまあ、あの状況で悪いけどもう愛していないとかみたいなこと言われたらそりゃ刺すっしょ。まさか顔を刺すとは思わなかったけど、スクリーンの前でジェシカ!もっといったれ!と思ったよ私は。
結構なダメージを受けても階段を軽やかに駆けるジェシカ様にはもうお見事ですとしか言えない。トムヒの何倍も致命傷っぽいものをくらってもなおスコップを振り回す力を残してるミア・ワシコウスカも見てて楽しかったですね。足、折れてるんだよね?
デル・トロの映画に共通しているのは「女は強い」ってことだな、とこの映画を見て改めて思いました。物理的に、強い。パシフィック・リムから来てるチャーリー・ハナムはあんなマッチョなのに眼科医っていうのが笑えるなと思ってたら、最後の方なんて助けに来たはずのミア・ワシコウスカに抱えられて歩いてるとか面白過ぎるでしょ。
この女性の強さっていうのは、デル・トロの身近にそういう女性がいるのかなって思わせますね。もしくは、ある意味これも女性に対する幻想なのかもしれない。セクシーなシーンがどうもぼんやりしてるのとかも、そういうことなのかな。
全体的には美術はそれはもう細部まで凝りまくってるし、衣装も全部かわいくて画面は始終見ていて飽きませんでした。今年最初の映画としては満足です。オススメ!
映画の後に見たらほっこりしますね。
クリムゾンピークのトムヒとジェシカ・チャステインの姉弟は映画では怖かったけど撮影中の二人は可愛すぎた pic.twitter.com/vxMkJoYMBJ
— サカエ (@s_k_e_73) 2016, 1月 10
【まとめ】
ストーリー:☆☆/キャラクター:☆☆☆/美術:☆☆☆/尻:☆☆☆☆