PI-CHIKU PA-CHIKU

新作・旧作問わず最近観た映画についてぴーちくぱーちく言うブログ

この夏最大級の祭り「HiGH&LOW〜私による私のための雨宮兄弟編〜」

 

 「LUCIFER!吐き気がするほど愛してくれ!」

 

 お久しぶりです。HiGH&LOWについてのブログもこれで5つめとなりました。同じ作品でこれだけ記事を書くことは初めてなので自分でも驚いています。7月初頭の私に「お前、今月中旬に始まるEXILEがめっちゃ出てる映画に死ぬほどハマってアルバムの曲をヘビロてして二ヶ月後にはLIVEビューイングに行ってAKIRAかっこいい…とか呟いてるよ」と言っても相手にされないことでしょう。HiGH&LOWは最早テロリズムです。

 さらりと書きましたが先日HiGH&LOWのライブビューングに行って来ました。イケてるメンズたちが椀子蕎麦のように出てくるので頭がパニックになりました。みんなあまりに顔が綺麗だということしか理解できないまま「こんなの初めて…」と呟いてる間に4時間あっという間に過ぎていったのですが、それはTwitterでもしつこいくらい書いているのでここではこのくらいにしておきます。

 10月8日公開のTHE RED RAINまでもう一ヶ月を切りましたね。Twitterでは試写会で一足先に鑑賞した方々の感想が少しずつ目に入るようになってきましたが、今はあまり情報を入れないようにしています。それというのも、今回映画で主役になる雨宮兄弟について自分の中で整理がついていないからです。新しい情報で知っているのは「雨宮兄弟は広斗が連れ子で他の二人と血が繋がっていない」ということくらいです。

 ドラマ、映画と登場する時間は短いのにあまりにキャラが濃い雨宮兄弟。気になりながらも横目で見ているくらいの立ち位置だったのですが、そろそろ真剣に対峙を迫られているなと感じました。そっちがそうくるなら(?)正面から正々堂々ぶつかってやろうじゃないか…ということで今回は雨宮兄弟について書きたいと思います。

 雨宮兄弟について、と言っても世にあるような考察ではなくタイトルにあるように「私による私のための雨宮兄弟」の話をしようと思います。そうです妄想です。ここから先の話は全て私の願望が詰まった妄想になりますので、それをご了承の上お付き合い頂ける方はよろしくお願いします。

 

 「よくもまぁ群れやがって…」MUGENの倉庫にバイクでカチ込みに来た広斗が琥珀を始めとしたMUGENのメンバーを前にして口にするセリフである。草食動物の群れ、もしくは蟻の群れでも見るかのような蔑んだ目で揃いのベストを着た男たちを見る広斗。まるで自分は一人で生きているかのような口ぶりであるが、自身も雨宮兄弟の広斗として名前が広まるほどに兄である雅貴と行動を共にしている。ヘルメットには兄弟をイメージしたエンブレムが描かれているし、確かに二人では「群れ」とは違うかもしれないが、兄弟べったりというのも傍から見れば違和感があるだろう。

 広斗にとって「兄弟」の価値観は他の人のそれとは違うのではないか、上記した場面でそう感じたのが雨宮兄弟について考え始めたきっかけである。兄弟二人でいることは広斗にとっては「群れ」とは違う。二人でいることが当然、一人で問題を起こすことがあってもそれは最終的に二人で解決するべき問題になり、何事も共有する。蹴りの雅貴と拳の広斗、二人は正に一体の上半身と下半身のように切り離せない存在である。雅貴と広斗は血の繋がらない兄弟であるが、そんな二人が血よりも強い繋がりを持つようになったのは過去に何があったのか。広斗が連れ子として雨宮家にやって来た幼少期から考えてみようと思う。

 広斗が母親に連れられ雨宮家にやって来たのは小学校に上がったばかりの頃だった。「お父さんになる人」として母親の再婚相手とは何度か会ったことがあった。本当の父親は顔を見たこともないし名前も知らない。父親を知らず育った広斗は自分にも周りの子供と同じように父親が出来ることが素直に嬉しかった。だが兄が二人いることは雨宮家に来てから知らされた。長男の尊龍はもう中学生で家にはあまり帰らないという。次男の雅貴は小学校高学年で年が近い。初めて二人と会った広斗は「お兄ちゃんができて良かったね」と言う母親の後ろに隠れて二人の顔もまともに見れなかった。

 尊龍と雅貴は父親の影響で幼いころから道場へ通い格闘技をしていた。特に長男の尊龍は中学生にして既に国双地区ではその腕っ節の強さで名前を知られており、次男の雅貴も空手の大会で常に上位に入る実力を周囲から認められていた。その二人と比べ、広斗は今まで格闘技どころか習い事一つしたとこがなかった。幼いながらも一芸に優れた新しい兄たちにコンプレックスを抱いた広斗は家で居場所がないと思った。

 雨宮兄弟は尊龍と雅貴で完璧であり、自分は邪魔者だ。そう思った広斗は家でもなるべく二人に顔を合わせないように過ごそうとしていたが、そんな広斗に笑顔で手を差し伸べてきたのは雅貴だった。「広斗ってかっこ良い名前だよね、俺ずっと弟が欲しいと思ってたんだ」一緒に遊ぼう、そう誘われ二人で庭でサッカーボールを蹴った。雨宮兄弟の末弟としての広斗はその日から始まった。

 雅貴と同じ小学校に通い始めると、急にできた雨宮弟に周囲は興味津々であった。特に「弟も強いのか」というのが関心の中心だった。あの雨宮の弟なのだから同じように強いに違いない、周囲はそう思ったが勿論実際は違った。また、ムードメーカーで周囲の注目を集める雅貴と違い、広斗は自分からは発言もしないタイプである。そのことで広斗はさっそく学校でからかわれ始めた。「雨宮弟の弱い方」などと呼ばれからかわれる広斗を助けるのはいつも雅貴だった。「俺の弟に手出したら蹴り飛ばしてやるからな!」広斗を庇うようにそう啖呵を切る雅貴に逆らえるのは同じ学校には誰もいなかったが、いつも守られてばかりの自分が情けなくていつの間にか雅貴と距離を置くようになっていった。

 学校でもなるべく雅貴を避けるようにしていた広斗が一人家の近くでサッカーボールを蹴っていると、そこに空手着を持った雅貴が通りかかる。雅貴は意を決したように広斗の手を取って歩き出し、連れて行かれたのは雅貴が通っている道場だった。「誰かを倒すためじゃなくて、守るために強くなればいいんだよ」その言葉に広斗は雅貴の強さの本質を知った。そして自分も同じように強くなって、いつか今まで守ってきてくれた雅貴を守れるようになりたいと思った。

 中学に上がる頃には「最強の雨宮兄弟」の呼び声が高くなっていた。思春期になり雅貴に彼女ができるようになると「雅貴くん弟いたんだ、似てないね」など言われることもあったがその度に雅貴は広斗の肩を組んで「似てないってよく言われる。広斗はクール系でかっこいいでしょ、自慢の弟なんだ」と笑った。雅貴が「俺の弟」と自分のことを呼ぶ度に広斗は自分の存在が認められるようで嬉しかった。

 「守るため」に柔道や空手などの格闘技に情熱を燃やしていた二人に決定的な事件が起きたのは広斗が中学二年の年だった。いつものようにバイクの免許をとった雅貴の後ろに広斗が乗って道場へ向かっていたときだった。尊龍の知り合いだというチンピラが喧嘩をふっかけてきた。相手が何人いても二人いれば負けるはずがなかったが、喧嘩を買おうとする広斗を雅貴が止めた。広斗はもうすぐ道場と部活の両方で大会を控えている。ここで喧嘩をしたことがバレたら出場停止だ。

 広斗に下がっているように伝えた雅貴が一人で数人に向かって行くのを広斗は見ていることしか出来なかった。助けを呼ぶ、雅貴にそう声をかけて駆け出そうとした瞬間、相手の男がどこからか持ち出した鉄パイプで雅貴の頭を殴った。鈍い音と共に倒れる雅貴と頭から流れる血、それが目に入った瞬間広斗の中で何かが切れた。

 その後自分がどう暴れたのかは覚えていないが、気づいた頃には喧嘩を売ってきたチンピラ全員が足下に転がっていて、二人とも病院に運ばれた。治療が終わると広斗はそのまま警察に呼ばれることになった。留置所で一晩過ごした広斗を迎えに来たのは久しぶりに顔を見る尊龍だった。尊龍は喧嘩の件については何も言わなかった。雅貴の口から部活を辞めさせられ、二人揃って道場を破門になったことを聞かされたが、広斗は後悔していなかった。自分は強くなった本来の目的である「雅貴を守る」ために闘った。それが招いた結果ならそれでよかった。

 部活も道場も辞めた広斗は16歳になるとすぐにバイクの免許を取り一人で走り回るようになった。毎日新しい傷をつけて帰って来る広斗を心配した雅貴は、広斗をこうしたのは自分だという責任感から広斗の無鉄砲な生活に付き合うようになった。

 広斗にとって「群れ」はかつて自分を迫害してきた者たちであり、だから自分は一人で生きていくんだという気持ちが強い。だが兄弟だけは違っていて、広斗にとって尊龍と雅貴はそこにいて当たり前の存在。特に雅貴は自分の半身とも言える存在であり、逆に離れるということが考えられない。だから広斗はいかにも「一人で生きている」という顔して雨宮兄弟のエンブレムを掲げるという矛盾を矛盾と思わない。

 今の広斗を作り上げたのは尊龍と雅貴の二人の兄であり、雨宮の名前がなければ今の広斗はいなかったとも言える。以上が私の考える雨宮兄弟である。

 

 お付き合いありがとうございました。相変わらず駆け足になりましたが、簡単に言いたいことは詰め込めたかと思います。痛いだろ、これ全部妄想なんだぜ?

 私の今の一番の関心は雨宮兄弟が一体どうやって生活しているのかということです。一つの情報によると両親を早くに亡くした雨宮兄弟は貧しい生活をしていたとのことですが、今の兄弟は一つのパーツを取っても何十万という改造バイクを乗り回し、ジバンシィとサンローランの70万するライダースジャケットを着て、スモーキーにぽんと札束を渡せる生活をしていることになります。雨宮兄弟に何が起きたの?パトロンでもいるの?叶姉妹なの?

 映画の公開日には休みをとったので初日に鑑賞しまた感想を書ければいいなと思っております。HiGH&LOWは他にもまだまだ掘り下げ甲斐のあるキャラクター、設定が多くあるのでまたネタが見つかり次第ブログでお会いしましょう。それでは。